介助の基本・身体の使い方
PR

【介護】ベッドでずり落ちた体を上に戻す方法|腰を痛めないコツとスライディングシート(代用品あり)

io.br.bo.ms@gmail.com
記事内に商品プロモーションを含む場合があります
ゆっくま
ゆっくま

こんにちは!訪問リハビリのゆっくまです。今日は介護で本当によくある悩み、 「ベッドの下にずり落ちた身体(上方移動が必要な状態)を、どうやって安全に上へ戻すか」を、 腰を痛めない方法でわかりやすくまとめます。

結論:上に戻すコツは「引っ張らない」「摩擦を減らす」「道具を使う」

いきなり結論です。ベッドでずり落ちた身体を上に戻すときは、腕力で引き上げるほどキツくなります。 ポイントはこの順番だけ覚えてください。

  1. ベッドをフラットにして摩擦を減らす(準備が9割)
  2. できる人は 膝立て+足の力 を使って“滑らせる”
  3. 動けない人・体格差があるなら スライディングシート(なければ大きなゴミ袋で代用)
  4. それでも無理なら ベッド機能(足上げ等)or 2人介助。無理は禁物です

まず最重要:安全の注意喚起(禁忌・中止の目安)

介助は「がんばれば何とかなる」ジャンルではなく、痛み・皮膚トラブル・転落・介助者の腰痛など事故につながることがあります。 次に当てはまる場合は、いったん中止して専門職へ相談してください。

次の場合は無理に動かさない(相談推奨)

  • 本人が強い痛みを訴える/動かすと痛がる(肩・肋骨・腰・股関節など)
  • 皮膚が弱く、すでに赤み・皮むけがある(摩擦で悪化しやすい)
  • 点滴・胃ろう・尿カテ・酸素チューブなど、ライン類が引っ張られる恐れがある
  • 介助者が「これは腰をやる」と感じる重さ(体格差が大きい/本人が全く動けない)

この場合は、道具か2人介助へ切り替えるのが安全です。

これはNG(やりがちだけど危険)

脇の下に手を入れて、腕の力だけで「せーの!」で引っ張り上げる方法は、 本人も介助者も痛めやすいので避けましょう。

なぜ「引き上げる」と重いの?(死重+摩擦が原因)

本人が脱力していると、身体は「死重(しじゅう)」になり、実際以上に重く感じます。 さらに、シーツとパジャマの間には摩擦が働きます。

つまり、力任せに引っ張ると「体重」+「摩擦力」を介助者の腰が全部受け止める形になり、 ギックリ腰の原因になります。

【準備】上方移動の前に:摩擦を減らす3ステップ(ここで8割決まる)

上に戻す前に、身体を“コンパクト”にして摩擦を減らすと、体感の重さがガラッと変わります。

  1. ベッドを平らにする(フラットが基本)
    背上げを使っている場合は、いったん完全フラットへ戻します。頭側の柵が外せるなら外すと動かしやすいです。
  2. 膝を立てる(できる範囲でOK)
    膝が立つと足裏がベッドにつき、踏ん張りが効き、接地面が減って摩擦が減ります。
  3. 腕は胸の前で組んでもらう
    腕がだらんとするとブレーキになりやすいので、できる範囲でコンパクトに。

方法①:膝立て+足の力で「滑らせて」上に戻す(協力できる人向け)

本人が少しでも足を使える・指示が入る場合に有効です。介助のコツは持ち上げないこと。 上に“押し出す”イメージです。

やり方(手順)

  1. 本人は膝を立てる
  2. 介助者はベッド横に立つ
  3. 片手を首の下、もう片手を骨盤(お尻の横の骨)の下へ
  4. 「おへそを見るように頭を少し上げてください」と声かけ(背中の摩擦が減る)
  5. 「足で蹴って上にいきましょう」のタイミングで、骨盤を持ち上げずに頭側へ押し出す

太ももをベッド枠に当てて支点にするとさらに楽になります(テコの原理)。

方法②:スライディングシート(なければ大きなゴミ袋)で摩擦を消す(動けない人向け)

本人がほぼ動けない/体格差が大きい/一人介助で腰が不安なときは、道具が最適解です。 滑りやすい布=スライディングシートを使うと、驚くほど軽く動きます。

専用品がない場合、ツルツル素材の大きなゴミ袋で代用できる点も有効です。

シートの敷き方と動かし方(手順)

  1. 本人を横向き(側臥位)にする
  2. 丸めたシート(またはゴミ袋)を背中〜お尻の下へ差し込む(ポイント:2枚重ね(筒状)
  3. 仰向けに戻し、肩と骨盤を支えて頭側へ“滑らせる”
  4. 移動後は再度横向きにしてシートを抜く(蒸れやすいので敷きっぱなしにしない)

代用品(ゴミ袋)を使うときの注意

  • 破れやすい素材は避ける(途中で裂けると危険)
  • 蒸れやすいので、必ず抜き取る
  • 皮膚が弱い方は、赤み・熱感が出ていないか確認(赤みが出たら中止)

どうしても動かないときの最終手段(無理をしない)

テクニックを使っても動かないなら、そこで勝負しないのが正解です。

ベッドの機能を使う(背抜き・足上げ)

介護ベッドによっては、背上げ時のずれを減らす機能(足上げ機能)があります。 足側を少し上げて重力を利用し、頭側に滑らせやすくする方法もあります。

※ただし、頭に血が上りやすい方は長時間の足上げは避けましょう。

二人介助をお願いする

訪問ヘルパー・訪問看護・訪問リハの時間に合わせて位置を直すのも立派な選択です。 全部を一人で背負わないでください。

【ずり落ち予防】そもそも下がらないようにする工夫(毎日の負担を減らす)

「上に戻す技術」だけでなく、ずり落ちを減らす工夫を入れると、介護も腰もかなり楽になります。

予防の基本は「摩擦と姿勢の設計」

  • 背上げの前に、可能ならいったん身体の位置を整える(ずれたまま背上げすると下がりやすい)
  • 膝が立てられる人は、背上げ時に軽く膝を立てると下がりにくい(状況に応じて)
  • 衣類・寝具のシワは“摩擦のムラ”になり、局所的にずれやすいので整える(皮膚トラブル予防にも)

「道具」で予防する(検討価値あり)

  • 体位保持クッション等で姿勢を安定させる
  • ベッドの機能(足上げ連動など)を活用する

ご自宅のベッド機種・本人の状態で最適解が変わるので、担当ケアマネさんや訪問リハに一度見てもらうのが早いです。

よくある質問(FAQ)

Q1. 1人でやっていい目安は?

腰に不安がある・体格差が大きい・本人が全く動けない場合は、道具か二人介助へ切り替えるのが安全です。

Q2. スライディングシートを敷いたままにしていい?

蒸れやすいので、移動後は抜き取りましょう。

Q3. ゴミ袋代用はアリ?

専用品がない緊急時の代用としては有効ですが、破れ・蒸れに注意し、必ず抜き取ってください。

まとめ:あなたの腰を守ることは、相手を守ること

介護は毎日続きます。だからこそ、力任せではなく、摩擦を減らして滑らせる。 必要なら道具プロの手を借りる。それが長く安全に続けるコツです。

「スライディングシートの使い方が不安」という場合は、担当のケアマネさんや訪問リハの先生に相談してみてください。 実演が一番早いです。

ABOUT ME
ゆっくま
ゆっくま
訪問PT
訪問看護ステーションで勤務する理学療法士(国家資格保有)。 在宅で介護をされているご家族の不安を少しでも減らしたいという思いから、 介護・リハビリに関する情報を、現場経験をもとにやさしく発信しています。
記事URLをコピーしました