福祉用具レンタルの賢い活用法|要介護1〜2の「まだ歩けるけど不安」を家で少しラクにする
介護が始まると、家族は毎日いろんな判断を迫られますよね。
「まだ歩けるし、道具に頼りすぎるのはよくないのかな…」
「でも転んだら怖いし、夜のトイレが心配…」

大丈夫です!
こういう迷いは、とても自然なことです
福祉用具レンタル(介護保険の福祉用具貸与)は、“できることを奪う”ためではなく、“できる状態を守る”ために使えます。
この記事では、要介護1〜2を想定して、家族が失敗しにくい「賢い使い方」をまとめます。
もちろん要介護1~2でなくても参考になる内容なので、ぜひ読んでみてください。
結論:賢い人ほど「1か所だけ」整える
福祉用具で失敗しやすいのは、いきなり全部を変えようとするときです。
結局どこが問題なのか分からなくなり、生活がぐちゃぐちゃになってしまう人も少なくありません。
ですので、まずはこの3ステップで進めていきましょう。

- いちばん危ない場面を1つ決める(例:夜のトイレ/ベッドからの立ち上がり)
- そこだけ“転ばない仕組み”を作る(照明・手すり・高さ)
- 合わなければ遠慮なく調整・交換する(我慢しない)
この順番なら、ムダが出にくく、本人も受け入れやすいです。

高齢者は環境の変化への適応が苦手で拒否に繋がるため、まずは1つだけ変更してみましょう
要介護1〜2で多い「困りごと」は、この3つに集中
要介護1〜2は、
「日中はわりと大丈夫。でも疲れると不安定」
「できる日とできない日がある」
という波が出やすい時期です。
特に、転倒につながりやすい“起点”はこの3つです。
- 夜間のトイレ(暗い/寝起き/ふらつく)
- ベッドからの立ち上がり(高さが合わない/支えがない)
- 転倒した後の“起き上がれない”不安(家族が一番怖いところ)
この3つを先に整えると、生活が安定しやすくなります。
何をレンタルする?
要介護1〜2で“効きやすい”優先順位
1)手すり(置き型・突っ張り型)を「立ち上がりポイント」に置く
要介護1〜2の方に一番効きやすいのは、手すりです。
理由はシンプルで、立ち上がりと方向転換が安定すると、転倒が減りやすいからです。
置く場所のおすすめ
- ベッド横(起き上がり〜立ち上がり)
- トイレ前(立つ/座る)
- 廊下の曲がり角(方向転換)
「本人が自然に手を伸ばす場所」にないと、使われません。
“良い道具”より“良い位置”が大事です。
2)夜間トイレは「照明+動線」でラクになります(用具を増やしすぎない)
夜のトイレは、家族にとって本当に心配な場面です。
暗さ、寝起きのふらつき、焦り…が重なりやすいからです。
ここは福祉用具レンタルだけでなく、照明(足元灯)と動線整理で大きく変わります。

夜間トイレの対策は、家の作りや本人の動きで“正解”が変わるので、家の状況に合わせて考えるのがおすすめです
訪問先でよくあるのが、不安だからと言って手すりをたくさんつけてしまうということです。
たくさんつけるとその分幅が狭くなり無理な姿勢で歩くことになってしまうため転倒のリスクを高めてしまいます。
ライトも明るすぎるとトイレの後に寝つきが悪くなるため、私の経験上足元灯がベストです。
夜間トイレの不安をさらに減らす「見守りカメラ」活用法
手すりや足元灯で物理的な転倒リスクは減らせますが、
「もし転んだらどうしよう」
という心配は、家族にとって夜も眠れないほどの不安ですよね。
訪問先でも、夜間のトイレ中に転倒し、朝まで気づかれなかったケースを何度も見てきました。
そんな不安を減らすために、最近は見守りカメラを導入されるご家族が増えています。
- 転倒した瞬間にスマホに通知が来る
- リアルタイムで様子を確認できる
- 録画機能で「いつ何があったか」が分かる
訪問PT視点でおすすめの見守りサービスを比較しましたので、
気になる方は以下の記事もご覧ください。
高齢者 見守りカメラ おすすめ3選【訪問PT推奨】
夜間トイレの転倒予防については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→ 夜間トイレ 転倒予防 完全ガイド【手すり・照明・見守りの3点セット】
3)「ベッドから立てない…」は、レンタルで“整える余地”が大きい
ベッドから立てないと、本人はもちろん、家族の介助負担も一気に増えます。
そしてここが崩れると、夜間トイレにも影響します。
トイレのたびに起こされて介助するのは本当に大変で昼間の活動にも影響がでるので、出来る限り一人で行える環境を作りましょう。
立てない=筋力不足
と捉えがちですが、ベッドの高さ・支えの有無・足の位置など環境が原因となることも多いです。

昇降機能が付いている介護ベッド(特殊寝台)やベッド周りの手すりは、要介護1〜2でもしっかり調整するとと効果が大きいです。
「ベッドから立てない…」は筋力だけが原因とは限りません。高さ・支え・体の使い方を少し変えるだけで、立ち上がりがラクになることも。訪問リハで効果が出やすい“3つの工夫”を紹介します。

レンタル開始までの流れ
「何をしたらレンタルできるの?」を、まとめます。
- ケアマネさんに相談(困りごとを具体的に:「夜のトイレでふらつく」「ベッドから立てない」など)
- 福祉用具専門相談員が自宅で確認(動線・段差・立ち上がり動作など)
- 用具の提案→設置→使い方確認
- 合わなければ調整・交換
福祉用具や住宅改修が在宅生活を支える給付として整理されていることは、厚労省ページでも確認できます。
借りたのに合わない…は“失敗”じゃありません
福祉用具は、買い物と違って「置いたら終わり」ではありません。
むしろ “使ってみてからが本番” です。
だから、合わないと感じたら遠慮せず言って大丈夫です。
訪問先でも、試しては交換してを何回も繰り返していますし、体の状態が変われば福祉用具を再選定することはとても自然なことです。
そのまま使える「相談の言い方テンプレ」
- 「夜、トイレの帰りにここでふらつきます」
- 「立ち上がるとき、手すりが遠くて届きません」
- 「歩行器が大きくて廊下で方向転換できません」
- 「ベッドの高さが合わず、立つのが怖いです」
「転倒」の話を避けたくなるほど、対策ははやめがラクです
要介護1〜2でも、転倒は起こりえます。
そして家族が一番怖いのが、転倒したあとに起き上がれず、対応が分からないケースです。
だからこそ、福祉用具レンタルは「転んでから」ではなく、“転ぶ前の準備”として使うほど、家族の心も軽くなります。
転倒で怖いのはケガだけでなく、「起き上がれずに動けない時間」が長くなることです。転倒後にまず確認したいこと、やってはいけない対応、予防の考え方を、理学療法士の視点で丁寧に解説しています。
動画でサクッと全体像を掴みたい方へ
「文章を読む余裕がない…」という日もありますよね。
そんなときは、まず動画で全体を掴むのもおすすめです。
福祉用具レンタルの料金や対象を解説
まとめ|福祉用具レンタルは「家の中の不安」を小さくする道具です
要介護1〜2は、できることがまだあるからこそ、悩みやすい時期です。
でも大丈夫です。最初から完璧にやらなくていいです。

まずは、いちばん危ない場面を1つだけ選んで、そこだけ整えてみてください。
その小さな成功が、本人の自信にも、家族の安心にもつながります!
