家族の介護で腰が辛い…コルセットで負担を軽減する方法
										- 介護をしていて腰が痛いから、どうにかしたい
 - コルセットをしてみたいけど、何をつけたらいいか分からない
 
こんなお悩みがあったりしませんか?
これは珍しい悩みではなく、在宅介護をしている人の多くが感じていることです。
介護職といわれる介護のプロでさえ、腰痛で悩んでいる人が7割にもなるという研究結果もあります。
ということは、腰痛は介護をする人にとっては当たり前なのかもしれません。
ですが、実際に腰痛があっても受診等せず放置してしまう人は6割以上いるといわれています。
受診や対策をせず放置してしまう理由として、忙しさや対策が分からないといった意見が多く聞かれます。
ここでは簡単に出来る対策の1つであるコルセットの着用について詳しく解説します。
理学療法士歴14年、訪問リハビリ歴10年の私だからこそ分かることを分かりやすくお伝えします。
在宅介護の腰痛について

在宅介護では、立ち上がりの介助やトイレ介助、入浴介助、オムツ交換などの動きを繰り返すことで腰痛になる人が多いです。
その介助動作には下記のような腰痛になる原因が隠れています。
- 前かがみ姿勢の繰り返し
 - 持ち上げ・支える動作による腰椎負担
 - 長時間同じ姿勢(食事介助、見守りなど)
 - 筋力低下や柔軟性不足
 - 介護環境の不備(ベッド高さ・動線など)
 
ご自身の介護の動きを思い出してみて、上記の5つのポイントが当てはまるようであれば対策が必要です。
ちなみに、今回お話するコルセットは1-5のポイントをカバーすることができる、かなり効果的な腰痛対策です。
腰痛の詳しい原因や予防法については
→在宅介護で腰痛にならないために|原因から予防・痛み対策まで理学療法士が解説
オムツ交換時の腰痛対策は
→訪問看護PT歴10年が教える!親の介護オムツ交換での腰痛を防ぐ完全ガイド
トイレ介助での腰の負担軽減については
→トイレ介助で腰を痛めないための動き方|体を守るコツとおすすめアイテム
腰痛コルセットが介護者に必要な理由

最初の方にもお伝えしましたが、腰痛は介護のプロでも7割は悩むものです。
介護のプロでなければほとんどの人がなるといっても過言ではないと思います。
あなたが普通の人より筋肉があり、身体操作が上手で介護のプロより知識があるのであれば腰痛にはならないかもしれません。
もしそうではないのであれば、在宅介護をする上で腰痛予防は必須でとなります。
ですが、継続的な体操や整骨院でのマッサージなどは、在宅介護をしている忙しいあなたには時間もお金もかかるため大変で難しいことです。
そんなあなたにおすすめの腰痛予防はコルセット(腰ベルト)です。
コルセットは簡単かつ時間もかからず効果的で金銭的な負担も少ない対策になります。
正しいコルセットを選択し正しく装着することで、腰痛予防効果だけでなく介助動作がスムーズかつ楽に行えるようになります。
それはなぜかというと、コルセットには腰の骨の位置(アライメント)を正しく矯正してくれる効果や腰やお尻周りの筋肉の補助をしてくれる効果があるからです。
私はコルセットを継続的に在宅介護をすることを支えるツールのひとつと考えています。
在宅介護者のためのコルセット選び方
正しいコルセットの選び方というよりは、失敗しないためのポイントを押さえておくといいと思います。
下記の5つのポイントを押さえておきましょう。
- サイズ
 - 用途
 - 素材
 - 装着のしやすさ
 - 専門家への相談
 
それぞれ解説していきます。
1.サイズ
当たり前といえば当たり前ですね。
服を選ぶときと同じようにコルセットにもサイズがあります。
各メーカーによって少しサイズ範囲に違いがあるので、購入しようと考えている商品のサイズとご自身のウエストサイズを照らし合わせてから購入しましょう。
サイズが分からない場合や測るのがめんどうだと思う人は、ご自身が履いているズボンのサイズを参考にしましょう。
コルセットのサイズが小さいと装着できないことやきつ過ぎて動きづらくなってしまう可能性があります。
逆に大きすぎる場合は緩いため、腰をサポートする力が弱く効果が十分に得られない可能性があります。
せっかくサポーターを使用するのに、効果が薄くなってしまうのはもったいないので、しっかりと体にあったものを選ぶようにしましょう。
ちなみにコルセットは少し表記されているサイズより少し小さめなことが多いため、少しだけ大きめのサイズを選択するのがオススメです。
2.用途
コルセットは使用目的や症状の程度に応じて、様々なタイプが販売されています。
ご自身の状況に最適なタイプを選択することが重要です。
- 軽度サポートタイプ:予防目的や軽度の腰痛に適用
 - 中度サポートタイプ:日常的な腰痛や作業時の使用に適用
 - 強度サポートタイプ:急性腰痛や医師の指導下での使用に適用
 - スポーツ用タイプ:運動時の腰部保護に特化
 
在宅介護の場合、軽度か中等度サポートタイプを選択するのがいいと思います。
強度サポートタイプの場合、固定される感覚が強く介護の動きを制限され、体の別の部位を痛めてしまう可能性があります。
スポーツ用タイプの場合は、スポーツのように自由度が高い動きをする人の腰を保護する程度なので、腰痛の人をサポートするには少し効果が弱いため適していないです。
3.素材
長時間装着する可能性があるため、肌に優しく通気性に優れた素材を選択することが重要です。
特に日本の高温多湿な環境では、蒸れにくい材質の選択が快適性を大きく左右します。
推奨される素材特性
- 吸湿速乾性に優れた繊維
 - 抗菌・防臭加工済み
 - 肌触りが良く、かぶれにくい
 - 伸縮性があり、動きを妨げない
 - 洗濯機での丸洗いが可能
 
地肌に直接つけるわけではない場合、抗菌・防臭加工や洗濯機で丸洗いできるかどうかは優先順位が低くなります。
装着感と機能性を最優先に選択しましょう。
4.装着のしやすさ
在宅介護において、こまめに着脱する可能性があるため、1人で楽に着脱ができることが大前提になります。
1人で出来ても着脱が大変では、だんだん面倒になってしまいつけなくなってしまうこともあるため、楽であることも重要です。
一般的に下記のようなタイプがあります。
- マジックテープ式:調整が容易で、微調整が可能
 - ワンタッチベルト式:簡単装着で、締め付け力の調整が容易
 - 前面装着式:背中に手を回す必要がなく、一人での装着が容易
 
どれも装着はしやすいですが、商品によって締め付ける力が違うので、悩む人が多い印象です。
使ってみてから後悔する人もいるので、使ったことがある人やレビューを参考にしてもいいと思います。
5.専門家への相談
使用方法や着脱タイミングが分からない場合は、医師や理学療法士に相談することをオススメします。
忙しくてなかなか受診できないという人は、コルセットを装着した上で数日様子をみましょう。
それでも腰痛が改善しない場合は受診した方がいいです。
装着・脱着の簡単さを重視する理由
介護は忙しく、面倒なことは極力無くしたいと思いますよね。
どんなにいいものでも準備や後処理が面倒で時間がかかるのであれば、次第に使わなくなってしまいます。
コルセットは毎日継続して使うからこそ効果があるものなので、使わなくなってしまっては腰痛になってしまったり、痛みが強くなってしまいます。
そのため、簡単に着脱が出来るものを選び、使い続けられるようにしましょう。
おすすめ腰痛コルセット5選
ドラッグストアに行くと分かるのですが、コルセットや腰ベルトはいろいろな種類や似たような商品がたくさんあります。
そのため、選ぶのに苦労する人が多いです。
訪問先でも介護負担が多いお宅のご家族さんに

どんなものがオススメですか?
とお決まりのようによく聞かれます。
この記事を読んでいるあなたはもう悩まなくていいです。
理学療法士歴14年の私が実際に着けて試したことがある商品の中から厳選した商品を紹介します。
【一押し】コシビシベルト
装着感とサポート感がピカイチのコルセットです。
三次元立体製法なので体にフィットしやすく、つけても違和感が少ないです。
また、メッシュ生地なのでムレにくいのも夏場は助かります。
ワイヤーを絞めると骨盤から腰をしっかりサポートしてくれて、安心感となんともいえない気持ちよさがあります。
バンテリンコーワサポーター腰用
コシビシベルトほどフィット感はないものの、装着はしやすいです。
サポート力も自分である程度調整できるので、きつすぎるorゆるすぎるといったことは起こらないのもいいと思います。
ただ、サポート力がコシビシベルトより弱いので、物足りなさを感じる人はいます。
固定するマジックテープも徐々に弱くなるので、定期的な買い替えは必要です。
アルケア サクロライト
アルケアは医療用の腰ベルトを出しており、腰痛で病院に行くとこの商品を処方されることもあるぐらい有名な商品です。
主に骨盤周りをサポートしてくれ、軽度の腰痛がある人や腰を大きく動かすけどサポートはしてほしいといった人に適しています。
立ち上がり介助など、人を支える介助をする人には少しサポート力が足りないですが、入浴介助で体を洗うために前かがみになるような程度であればこちらの商品でいいと思います。
腰痛を繰り返している人が予防的に使用するのにもオススメです。
コルセットの正しい使い方
コルセットをつけている人は多くいますが、誤った装着方法や自己流になってしまっている人が多くいます。
正しくコルセットをつけて最大限効果を発揮させる方法として、もっとも重要なことは説明書をしっかり読むことです。
私の経験上、コルセット装着経験者の7割以上が説明書をしっかり読まず、誤った位置や誤った強度での固定をしています。
訪問先でも、腰ベルトなのにお腹に巻いてる人がいて

腰ベルト巻いてるのに全然聞かないの…
とお話されることもありました。
さすがにそこまでの人ばかりではありませんが、せっかく使うならそのコルセットの効果を最大限発揮させて腰をしっかり守ってもらいましょう。
まとめ
- 腰痛になる原因を理解してリスクを下げる
 - コルセットは体にあったものと装着方法が重要
 - オススメはコシビシベルト
 
在宅介護をしていて、何も対策をしなければ腰痛になって当たり前です。
腰痛になると介護どころではなく、あなたの生活にまで悪影響があります。
コルセットは自分の悩みにあったものを選び、正しく装着することで腰痛から腰を守ってくれます。
コルセットを正しく装着して、安全かつ安楽な在宅介護できるようにしましょう。
