訪問リハビリって何をするの?費用と内容をわかりやすく解説

はじめに:ご家族の「不安」に寄り添いたくて

「退院したのはいいけど、このまま家で大丈夫かな…」「リハビリって病院だけじゃないの?」
そんな不安を抱えながら在宅介護を始めた方も多いのではないでしょうか
訪問リハビリは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士がご自宅を訪問して、利用者さん一人ひとりの生活に合わせたリハビリを行うサービスです
この記事では、「訪問リハビリってどんなことをするの?」「費用はどれくらいかかるの?」といった疑問に、現場で実際にリハビリを提供している理学療法士の目線でお答えしていきます
訪問リハビリとは?

医療と介護の間をつなぐ「生活に直結したリハビリ」
訪問リハビリは、病院のような専門的な環境ではなく、実際に生活している“家”という空間で行うリハビリです
目的は「できることを増やす」「続けていける生活を作る」こと
対象となるのは以下のような方です
- 退院後に体力が落ちてしまった
- 足腰が弱ってきて転びやすくなった
- 認知症が進み、動くのが不安になってきた
- 食事・トイレ・入浴などの介助が必要
これらの課題を、“生活の中で動く力”として回復させるのが訪問リハビリの役割です
どんなことをしてくれるの?

1. 歩く・立つなど「基本動作の改善」
歩行訓練、立ち上がり練習、階段の昇降など、日常動作の基礎を支えるリハビリを行います
病院での基本動作練習とは違い、ご自宅の環境にあった動作を練習します
立ち上がるのか大変になってきたならコチラの記事
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2. 入浴・トイレ・着替えなどの「生活動作訓練」
実際の浴室やトイレで、「転ばずに行える方法」「安全な動作」を一緒に練習します
▶︎おすすめアイテム
お風呂に入るのが心配になってきたらコチラの記事
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3. 自宅の環境調整アドバイス
「ベッドの高さを少し高くすると立ちやすい」「手すりをここに付けると安心」など、その家ならではの改善提案を行います
体にあった生活環境にすることで、劇的に動きがよくなったり介護負担が軽減したりすることがとても多いです
理学療法士オススメの福祉用具を知りたい人はコチラの記事
→本当に役立った福祉用具ベスト5
4. 福祉用具の提案・使い方指導
歩行器・ポータブルトイレ・車いすなどの選定も理学療法士がアドバイスします
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高さ調節可能でコンパクト。初めての方でも安心して使えます
かなり軽量なので力がない高齢者でも操作が簡単です
5. ご家族への介助指導・声かけのコツ
「どう声をかければ動いてくれるのか」「抱え上げるときのコツ」など、ご家族の介護も“楽に・安全に”なるようお手伝いします
訪問リハビリの費用はどれくらい?

介護保険を使った場合の自己負担
訪問リハビリは原則、介護保険で利用できます(要支援1~要介護5の認定が必要)
- 20分:250~300円程度(自己負担1割の場合)
- 40分:500~600円程度
- 60分:750~900円程度
※収入に応じて2割・3割負担になる方もいます
医療保険を使うケースも
病状やサービスの開始時期によっては、医療保険での訪問リハビリも可能です(主治医の指示が必要)
利用までの流れ
- ケアマネジャーに相談(介護保険サービスの場合)
- 主治医の指示書を取得
- 訪問リハビリ提供事業所と契約・担当者会議
- 初回訪問・リハビリ開始
▶︎POINT
理学療法士だけでなく、作業療法士・言語聴覚士が関わる場合もあります
言語リハビリや食事の飲み込みに関する訓練も可能です
よくある質問

Q.週に何回利用できますか?
A.必要に応じて週1〜3回が一般的です
身体状況や介護度によって調整されます
Q.同時に訪問看護も利用できますか?
A.はい、可能です
訪問看護ステーションに在籍しているリハビリスタッフが対応することも多く、看護師と連携した安心のサポートが受けられます
ご家族の不安に寄り添う、私たちの想い
「また歩けるようになるのかな…」
「寝たきりになってしまうのでは…」
そんな不安を抱える利用者さんやご家族に、私たち理学療法士は小さな希望の種を一緒に見つけていきます
在宅生活には、その方にしかないストーリーがあります
訪問リハビリは、その物語を支える“もう一つの杖”になれるよう、日々取り組んでいます
おすすめリハビリサポート用品

1. 【滑り止め付きリハビリシューズ】
高齢者の転倒予防に。軽くて脱ぎ履きしやすい!
2. 【姿勢サポートクッション】
車いすや椅子での座位が安定し、褥瘡予防にも役立ちます
3. 【リハビリ体操DVD】
自宅でも安心してできる運動指導ご家族も一緒に学べます
施設や病院でも使われているぐらいとても有名なものです
まとめ:迷ったら、まず相談を
訪問リハビリは、“生活をあきらめない”ためのサポートです。
ご家族だけで悩まず、まずはケアマネジャーや訪問看護ステーションにご相談ください。
きっと、今の暮らしを少しラクにできるヒントが見つかります。
どんなサービスを使ったらいいかわからないときはコチラの記事
→一人で頑張らないで~介護者が頼るべきサービス一覧~