動かないと寝たきりに…でも動かしすぎも危険!在宅介護で大切な「ちょうどいい動き方」

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在宅介護をしていると、こんな不安を抱いたことはありませんか?

「最近、母がほとんど動こうとしない」
「このままだと寝たきりになっちゃうんじゃないか…」
「でも、無理に動かしてケガさせたらどうしよう」

こうした不安、実はとてもよくあることなんです
私は訪問看護ステーションで日々、ご自宅に伺ってリハビリや運動指導をしていますが、「動かないとダメ」「でも動かしすぎも不安」というジレンマに悩むご家族によく出会います

この記事では、「動かないリスク」「動かしすぎのリスク」、そしてそのバランスをどう取ればよいかを、わかりやすく解説します


なぜ「動かない」と寝たきりになるのか?

人の体は、使わないと驚くほど早く機能が低下します
特に高齢になるとそのスピードは想像以上です
使わないことで以下のような問題が出る可能性があります

  • 筋力の低下(特に足腰)
  • 関節が硬くなる
  • バランス能力の低下
  • 心肺機能の低下
  • 便秘や食欲不振
  • 意欲や認知機能の低下

以前、風邪で数日間ベッド中心の生活を送った80代の女性が、回復後も立ち上がれなくなってしまったことがありました
体は「使わないと使えなくなる」ようにできているんです


でも「動かしすぎ」はなぜ危険なの?

「寝たきりにさせたくないから」と無理に運動させてしまうと、今度は以下のようなリスクが出てきます

  • 関節の炎症や痛み
  • 筋肉の損傷
  • 転倒・骨折
  • 心臓や肺への負担
  • 運動嫌いになってしまう

ある70代男性の方では、娘さんが毎日30分の散歩に連れ出した結果、膝を痛めて逆に動けなくなってしまったケースもあります。


理学療法士がすすめる“ちょうどいい運動”とは?

① 生活の中でこまめに動く

運動といっても、立ち上がり・足踏み・手足を動かすなど簡単なことでOKです
1日3回、5分の動きでも積み重なれば大きな効果になります

② 痛みが出ない範囲で

「痛い」「苦しい」と感じたら中止しましょう
痛みというのは体からのブレーキサインです
痛みが出てしまうと、またその痛みを回復させるために安静にしなければいけないので、かえって動けなくなってしまいます

③ 生活動作を活用する

洗顔、着替え、トイレなどの“日常の動き”こそ最高のリハビリです
できる範囲はできるだけ本人にやってもらいましょう

④ 水分補給を忘れずに

脱水は筋けいれんや血圧低下を招きます
特に高齢者はのどの渇きを感じにくいので注意しましょう


おすすめのサポートグッズ

ご自宅での安全な運動を支えてくれるアイテムをご紹介します。

  • 運動DVD

1人で何もないなかでの運動はつらいと感じやすく、続かない人もいます
DVDは誰かと一緒に体操をしている気分になれるので、無理なく続けられて運動習慣が身に付きます

  • 滑らない室内用靴

靴下やスリッパは結構滑るので、足腰に自信がない人にとっては 転倒のリスクを高めてしまいます
室内用靴は軽くて滑らないため安定感があり、転倒予防にも最適です
運動するときにも安心感を与えてくれるため、やる気を後押ししてくれます

自宅でできる簡単な運動が知りたいときはコチラ
家でできる!転倒予防の簡単体操3選

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杖を使いたがらない親にどう声をかける?失敗しない3つの工夫


どこから始めればいいかわからないときは?

最初の一歩が不安なら、訪問リハビリを利用するのも選択肢のひとつです
理学療法士が自宅に訪問し、その方に合った運動メニューを考え、一緒に安全に取り組みます

介護保険を使っているのであれば担当のケアマネジャーに相談してみましょう
介護保険を使っていないのであれば、お近くの地域包括支援センターへ相談してみましょう
電話での相談もできますよ!

近くの地域包括支援センターが分からないときは、
「○○市 地域包括支援センター」
と検索してみてくださいね


まとめ|「動きすぎず、動かなさすぎず」が大切

「動かないと寝たきりになる」
その通りです
でも、だからといって「無理に動かすこと」は逆効果になることも

大切なのは、

  • 無理のない範囲で
  • 痛みが出ないように
  • 生活の中に自然に

この3つを意識すること

そして、悩んだときは専門職を頼ってください
介護は家族だけで頑張る必要はありません
私たち理学療法士もあなたの支えになります

この記事が、少しでも皆さんの不安や迷いを和らげるヒントになれば嬉しいです


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