“介護拒否”が続くときに試してほしい小さなアプローチ

〜理学療法士としての現場の気づき〜

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在宅介護の現場では、「お風呂に入りたくない」「リハビリはもうやらない」「何もしたくない」といった“介護拒否”に直面することがあります。

訪問リハビリをしていると、こんな言葉に何度も出会います。
「やらせたい気持ちはあるけど、無理に押すと怒ってしまって…」
「このままじゃダメってわかってるけど、本人の気持ちもあるし…」

そんなときに、訪問看護ステーション勤務の理学療法士として私がご家族にお伝えしている、小さなアプローチをいくつかご紹介します。

1. 「お願い」ではなく「相談」の形にする

「お風呂入ってよ」ではなく、
「お風呂どうしようか?今日暑かったし、サッとシャワーだけでも気持ちいいかもね」と、“選択肢”や“相談”の形に変えるだけで、相手の反応が柔らかくなることがあります。

人は「指示される」のではなく、「自分で決めたい」という気持ちがあるんです。これは認知症の方でも同じです。

2. タイミングは「気分の良いとき」を狙って

朝は調子が悪くても、午後は少し元気になる。
そういった“波”がある方も多いです。

無理に決まった時間で進めるのではなく、
「この時間なら機嫌がいいかも」と感じる瞬間を逃さず、声をかけてみてください。

3. 生活の“ついで”にリハビリを混ぜ込む

リハビリというと、「さあやりましょう」と構えてしまいがちですが、

  • 新聞を取りに行くついでに少し遠回り
  • お茶を入れるときに立ってもらう
  • テレビの前で一緒にストレッチ

…と、“生活の中に自然と動きを入れる”ことで、抵抗感が減る方も多いです。

▼こんなサポートグッズもおすすめ

リハビリの入り口として、“運動器具”を使うのも一つの方法です。たとえば、以下のようなアイテムは「ちょっとやってみようかな」という気持ちを引き出しやすいです。

手に持つだけでOK。テレビを見ながらでもできます。

椅子に座ったままできる足こぎ。テレビを見ながらできるので継続力◎

頭と手を一緒に使う遊び感覚のツール。やる気を引き出しやすいです。

4. “やらない理由”の奥にある気持ちを探す

「やりたくない」と言っている方の中には、
「恥ずかしい」「疲れる」「怖い」「自信がない」といった、さまざまな思いが隠れています。

たとえば、入浴拒否の場合、「転びそうで怖い」や「裸を見られるのが恥ずかしい」といった気持ちがあるかもしれません。

そんなときは、「滑りにくいマット」や「身体を隠せるバスタオル」を使って、安心できる環境を整えてあげることがとても大切です。

入浴に恐怖心があったり拒否があるときはコチラの記事を参考にしてください。
高齢者の「お風呂問題」を解決!自宅で安心・安全に入浴するための工夫

▼入浴サポートアイテムのご紹介

浴槽で立つのが大変だったり、転ぶ恐怖心がある人にオススメです。

全身を拭くのはかなり大変です。ラップタオルを巻いてしまえば面積の大きいところは拭く手間が省けます。
冬は寒いので入浴時の防寒対策としても便利です。

最後に:できたことに「ありがとう」を

介護拒否が続くと、ご家族も心が疲れてしまいます。
でも、たとえほんの一歩でも、「今日はありがとうね」「頑張ったね」と声をかけてあげることで、次への“やる気”につながります。

そして、ご自身の気持ちにもぜひ「よくやってるよ」と声をかけてあげてくださいね。
介護はマラソンです。小さな工夫と、一歩ずつでいいんです。


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