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介護ベッドの導入はいつがいい?在宅生活の転機とは

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はじめに:その「まだ大丈夫」が転機を見逃しているかも

在宅での介護を続けるなかで、「介護ベッドを導入するタイミング」に迷うご家族はとても多いです
「まだ布団で起き上がれてるから大丈夫」「介護ベッドを入れるのは最期のとき…」
——そんな声を、訪問の現場で何度も耳にしてきました

ですが、実は“本当のタイミング”はもっと早くに訪れています
この記事では、訪問看護の現場で数多くのケースを見てきた理学療法士の視点から、介護ベッドを入れるべき転機と判断ポイント、導入後のメリットや選び方を、わかりやすく解説します

1. 介護ベッドは「最期の道具」じゃない

「介護ベッド」と聞くと、どこか“終末期の道具”という印象を持たれている方も少なくありません
でも、それは誤解です

実際には、介護ベッドは「在宅生活を続けるためのサポートツール」
むしろ、ベッドを導入することで、安全に、快適に、「自宅での生活」を長く続けられるようになります

💡現場の声
「ベッドに替えてから起き上がりやすくなって、トイレにも自分で行けるようになったんです」と語ってくれた90代女性
導入を“最期の準備”ではなく“自立の手段”として受け入れた好例です

2. 導入すべきサインとは?現場でよく見る5つの転機

  1. 起き上がるのに手伝いが必要になった
    布団や普通のベッドからの起き上がりが辛く、介助が必要になってきた段階
  2. 夜間のトイレが増え、転倒が心配になった
    夜の移動中にふらついたり、ベッドからの立ち上がりが不安定な場合
  3. 腰痛や介護疲れが深刻に
    介助者の腰に負担がかかる「抱え起こし」や「床からの立ち上げ介助」が続いている場合
  4. 認知症による夜間徘徊や転落が出始めた
    ベッドガードやベッドの高さ調整が必要なケース
  5. 訪問リハや看護師からの提案があった:専門職が「そろそろ…」と話してきたら、客観的なサインと捉えてOKです

立ち上ががるのが大変になってきたらコチラの記事
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3. 介護ベッドを入れてよかった声・入れずに苦労した声

✅ 入れてよかった

腰の痛みが減った、一人で起きられるようになった

背上げ機能のある介護ベッドを使用することで腰の負担を軽減できる角度や無理なく一人で起き上がれる角度に調整することができます

訪問リハでの運動もベッド上でできるように

布団ではできない運動も沢山ありベッドを導入することで、より質の高い運動をすることが可能です

夜間の転倒がなくなった

介護ベッドはベッドの高さを調整できるので、楽に立てる高さに設定してベッドの手すりも活用すると転倒のリスクをかなり軽減できます

❌ 入れずに苦労した

転倒して入院、結果的に導入することに…もっと早くしておけば

このケースはとても多いです
「今はとりあえず布団で生活出来ているから」とベッドを使うことをためらい、取り返しのつかないこことになってしまいます

布団の上げ下げで介護者の体がボロボロに

低い位置から物を持ち上げることは、腰や膝に負担がかかります
一度だけであればいいのですが、毎日その動きをしなければいけないことやそれ以外の介護もとなると疲労が蓄積し介護者の体が先にボロボロになっていまいます
介護者が先に倒れてしまい、介護する人がいなくなってしまったことでご本人様が施設へ…というケースもあります

ベッドじゃなく布団”にこだわって、家族の負担が大きくなった

布団で寝ることになれているので、ベッドを拒否される方も多くいます
ですが、家族の介護があってのご本人様の生活なので、優先順位を考えた環境設定をしましょう

介護に疲れた人はコチラの記事を読んでください
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4. 導入タイミングを見誤るとどうなる?

遅れて導入すると、「寝たきり」の一歩手前なんてこともあり、後手に回るケースが目立ちます
体力の低下は坂道のように、一度傾き始めると一気に進んでしまうのです

介護ベッドは、“自立を支える道具”
早く使えば使うほど、できることが維持できる
それが最大のポイントです!

5. 介護ベッドのメリット〜利用者と介護者のWサポート〜

利用者のメリット

  • 起き上がりや立ち上がりがラクに
  • ベッド上での食事・着替え・リハビリが可能に
  • 夜間の移動も安全

介護者のメリット

  • 腰痛リスクの軽減
  • 抱え上げや移乗の負担軽減
  • 睡眠の質の向上(夜間見守りがしやすい)

6. 実際に使える制度や申請の流れ(要介護認定と福祉用具レンタル)

介護ベッドは高額なイメージがありますが、介護保険を利用すればレンタルが1割〜3割負担で可能です

手続きの流れ

  1. 要介護認定を受ける
  2. ケアマネジャーに相談
  3. 福祉用具業者の提案を受け、ベッドを選ぶ
  4. 訪問リハや看護師との連携で設置調整

7. おすすめの介護ベッドと周辺アイテム

✅ パラマウントベッド「楽匠プラス」

電動3モーター式で起き上がり・足上げもスムーズ
利用者にも介護者にも優しい設計

✅ 介護用サイドテーブル

食事やリモコン・眼鏡の置き場に便利です

✅ 介護ベッド用マットレス(通気・防水タイプ)

褥瘡(じょくそう)予防に必須アイテム
体圧分散がしっかりしているだけでなく、寝返りや起き上がりもしやすい柔らかさです

✅ ベッドセンサー付き見守り機器

離床を検知して通知、夜間の徘徊対策に

8. まとめ:後悔しない選択のために

介護ベッドの導入は、「できなくなってから」ではなく、「まだできるうち」に。
それが、利用者の“できる”を守り、介護する人の体と心も守る選択になります。

「導入したら生活が変わった」
そんな前向きな声を、あなたにも実感していただきたいと願っています。

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はじめまして!訪問リハビリをしているゆっくまです。あなたが安心安楽にご自宅で介護ができるような有益な知識を発信しています。在宅でのリハビリを10年しているからこその知識をたくさんお伝えしていくので参考にしてください。
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