家族ができる“リハビリ声かけ”のコツ
~回復を支える優しい言葉の力~
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はじめに
「もう一歩歩こうか」「ゆっくりで大丈夫だよ」「頑張ってるね!」
リハビリに取り組むご家族にとって、身近な人の“声かけ”はとても大きな力になります
私は訪問看護ステーションで理学療法士として日々、在宅で頑張っている利用者さんと向き合っていますが、やはりリハビリの成否を分けるのは「家族の存在」です
そして、特別なスキルよりも「声かけの仕方ひとつ」が大きな違いを生むのです
この記事では、家族ができる“リハビリ声かけ”の具体的なコツや注意点、NG例、さらには日常に取り入れやすい声かけアイデアを、わかりやすく丁寧にお伝えします
また、介護やリハビリをサポートする便利なアイテムもご紹介します
なぜ“声かけ”が大事なのか?

1. 声かけは“やる気スイッチ”

人は誰かに応援されたり認められることで、自分の中にあるやる気を引き出せます
特に高齢者や病気・けがで落ち込んでいる方にとって、身近な家族のひとことは「こころの栄養」となります
2. “やりすぎ”や“やらなさすぎ”を防ぐバランス役

無理をすると身体を壊してしまう一方、やらなければ筋力も心もどんどん弱ってしまいます
家族の声かけが、ちょうどよいリハビリのバランスを保つ役割を担ってくれます
よくある声かけの失敗例(NG)

①「早くして」「ちゃんとやって」
プレッシャーや焦りを生み、逆に動けなくなってしまうこともあります
②「前はもっとできたのに」
過去と比べられると、本人は自信をなくし、モチベーションが下がってしまいます
③「もう無理しないで」「やらなくていいよ」
思いやりのつもりでも、「自分はもうダメなのかな…」という諦めに繋がることがあります
家族ができる“リハビリ声かけ”の5つのコツ

コツ①:小さな「できた」を見つけて褒める
「今日はひとりで立てたね」「昨日より少し長く歩けたね」など、変化に気づいて言葉にしましょう
✅ ポイント:数字よりも「その人なりの成長」に注目しましょう
コツ②:未来形の言葉を使う
「できるようになったら一緒に散歩したいね」など、希望を持たせる言葉が効果的です
コツ③:「一緒に」を意識する
「一緒にやってみよう」といった“並ぶスタンス”の言葉が信頼を生みます
コツ④:その人の“好き”を取り入れる
音楽やテレビ、家族写真など「好きなもの」と組み合わせて、気分よく取り組める工夫を
→ 音楽や写真表示で、リハビリ中の気分転換や声かけのきっかけにオススメ
コツ⑤:「ありがとう」「助かったよ」と感謝の気持ちを伝える
「自分はまだ役に立てる」という自信が、リハビリ継続の大きな原動力になります
家庭内での役割があると自分に自信が持てるようになって表情もよくなります
声かけのシーン別アドバイス
- 朝の起き上がり:「おはよう。今日も一緒にいい一日にしようね」
- トイレ誘導時:「ちょっと歩いて気分転換しようか」
- 入浴・着替え:「どっちの服がいい?」「お風呂あがりすっきりするよね」
- 疲れているとき:「今日は頑張ったね、少し休もうか」
声かけが上手くいかないときは?

そんなときは
- 無理に話さず「見守る」
- 目線やタッチなど非言語で寄り添う
- 第三者(訪問リハスタッフ)に一時的に任せてみる
🗣【体験談】
訪問先で、娘さんが一歩引いた距離感をとることで、お父様が自主的にリハビリに取り組むようになったケースもありました
積極的にかかわることがすべてではないので、選択肢の一つとして覚えておくといいと思います
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→ 安定した座位保持ができ、立ち上がり練習にぴったりです
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→ 好きだった曲を流すだけで気持ちが前向きに
📖 脳トレ本
→ 会話のきっかけにも使えます
まとめ:声かけは“家族にしかできないリハビリ”
リハビリは、運動だけでなく心のケアも含めた「生活の再構築」です
その中で家族の声かけは、専門職には届かない“心の奥”に届きます
うまくいかない日もあります。でも、続けることで「できた」が生まれ、それが「生きがい」へとつながっていきます
あなたの言葉が、リハビリの力になりますように