夜間のトイレ、どう対策すればいい?訪問リハの視点から解説

未分類
記事内に広告が含まれています。

こんにちは。
私は訪問看護ステーションで理学療法士として働いています。

ご自宅に訪問すると、ご家族からよく相談されるのが「夜間のトイレが心配」というお悩み。
特に高齢の方にとって、夜間の移動は転倒リスクが非常に高まる時間帯です。

今回は、訪問リハビリの現場から見えてきた「夜間トイレの安全対策」について、実例も交えながらわかりやすくお伝えします。

夜間のトイレで転倒が多い理由

まず、なぜ夜間のトイレでの転倒が多いのでしょうか?
現場でよく見られる原因は次のようなものです。

  • 暗くて足元が見えにくい
  • 寝起き直後でふらつきやすい
  • 認知機能の低下で判断力が鈍る
  • トイレまでの道のりが長く、段差や障害物がある

特に、布団から立ち上がって数歩の間に転倒するケースが多く、「あと少しだったのに…」という事故も少なくありません。

対策①:足元を照らす明かりの設置

夜間のトイレ対策でまず取り入れてほしいのが「明かり」の工夫です。
天井の照明をつけるとまぶしくて眠気が飛んでしまうという方も多いため、足元や廊下をやさしく照らす照明を設置するのがおすすめです。

センサーライトやナイトライトを使うと、本人が動いたときだけ自動で点灯するため、負担も少なく安全性が高まります。

対策②:動作のサポートと動線の見直し

ベッドからの起き上がりや立ち上がり、歩き出しの一歩目は、非常に重要なポイントです。

以下のような工夫で、事故のリスクを下げることができます。

  • ベッドの高さを調整する(低すぎず高すぎず)
  • ベッド柵や手すりを活用する
  • 歩行器や手押し車の設置も検討
  • 廊下や床の障害物(コードやマット)を取り除く

訪問リハビリでは、実際の動線を確認しながら、その人の身体状況に合った動作練習や環境調整を一緒に行うことができます。

対策③:トイレに行く回数を減らす工夫

夜間の頻尿がある場合は、どうしても起き上がる回数が増えます。
そういったときには、以下のような工夫が有効です。

  • 寝る前の水分摂取を見直す
  • 利尿作用のある薬や飲み物を控える(医師と要相談)
  • 排尿を我慢しない・我慢させない

また、ポータブルトイレをベッドのそばに設置することで移動距離を減らすことも可能です。
抵抗のある方もいますが、安全のために一時的に使ってみるのも良い選択肢です。

対策④:履き物を見直す

スリッパが原因でつまずく方はとても多いです。
かかとが脱げやすいものや、滑りやすい素材は避けて、

  • 滑り止めのある靴下
  • かかとを覆う室内履き

などを使うと安全性がアップします。

訪問リハだからできること

訪問リハビリでは、日中の動作練習だけでなく、「夜間の不安をどう減らすか」という視点も大切にしています。

ご自宅の環境に合わせて、

  • 実際に歩いてみながら転倒リスクを評価
  • トイレ動作やベッドからの起き上がりの練習
  • ご本人やご家族への動作のアドバイス

などを丁寧にサポートしています。

最後に

「夜間のトイレが不安」と感じたら、それは転倒リスクへの重要なサインです。
少しの工夫と環境調整で、大きな事故を防ぐことができます。

ご本人だけでなく、ご家族も安心できるように、まずは身近なところからできることを始めてみてくださいね。

訪問リハビリのご相談も、お気軽にどうぞ!

コメント

タイトルとURLをコピーしました